この協議会は、2014年に地元産業界が主体となり、長崎県初の海洋産業クラスター形成推進機関として発足しました。長崎県は、古くから海洋交易の拠点として、また造船業を中心とする海事産業の集積地として、さらには全国有数の水揚げ量を誇る漁業基地として、その礎が築かれてきた海洋県です。
協議会では、このような海洋県としての特性を将来の発展につなげるため、海洋再生可能エネルギーを柱とする新たな海洋産業分野において、国際的な競争力を持つ企業群を形成し、その中からコネクターハブ企業(地域中核企業)が生まれるよう、関連企業はもとより長崎県等行政機関及び大学、研究機関との密接な連携のもと、人材育成やイノベーションの創出に向けて取り組んでいます。
2015年度までは、主に二つのテーマを掲げて、会員企業が共に学び共に経験を積むための事業を推進します。
一つ目のテーマは、2014年7月15日、総合海洋政策本部(事務局:内閣官房)から選定された県内3海域(五島市久賀島沖、椛島沖、西海市江島・平島沖)の海洋再生可能エネルギー実証フィールドにおけるプロジェクトに、地元企業の参入を促進していく取り組みです。参入する分野としては、環境調査、設置工事及びメンテナンスを想定し、そのための学びの場を提供します。
二つ目のテーマは、海洋県としてのポテンシャルを活かして、新事業を創出していく取り組みです。新事業の分野としては、海中ロボット、漁業協調及び電力地産地消を想定し、そのための調査・研究を支援します。また、二つのテーマを効果的に展開するために、二つの活動に注力します。
一つには、海洋再生可能エネルギー実証フィールドへの地元企業の参入はもとより、他の海域での大型プロジェクトについても会員企業への情報提供に努め、営業活動を強化することで、実務を通じて豊かな経験を獲得できる機会を提供していく活動です。
一つには、海洋再生可能エネルギー実証フィールドの先進地であるスコットランド政府、EMEC及び先端技術を持つ海外企業との連携を強化し、グローバル展開を図る活動です。
まだスタートして間もない協議会ですが、常に成果の可視化と迅速化を念頭に置きながら、産学官連携の「産」の要としての役割を果たすなかで、海洋産業の振興に貢献する取り組みを推進してまいります。