このたび、2026年7月1日開催の理事会におきまして、理事長に就任いたしました松尾博志でございます。就任にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
当協議会は、2014年、地元産業界が主体となり、長崎県初の海洋産業クラスター形成推進機関として発足いたしました。古くから海洋交易の拠点として栄え、造船業を中心とする海事産業の集積地であり、全国有数の水揚げ量を誇る漁業基地でもある「海洋県・長崎」。その特性を将来の発展につなげるため、当協議会は、海洋再生可能エネルギーを柱とする新たな海洋産業の創出と人材の育成に、長崎県等の行政機関、長崎大学、長崎総合科学大学や研究機関等との密接な連携のもとで取り組んでまいりました。
創立以来12年の長きにわたり当協議会を牽引してこられた坂井俊之前理事長は、長崎の地に海洋再生可能エネルギー産業を根付かせるという決して平坦ではない道のりを、産業界・行政・学術機関を結びつけながら、一歩一歩切り拓いてこられました。その足跡の上に立ち、重責を担わせていただくことに、身の引き締まる思いでございます。なお、坂井前理事長には、特別顧問として引き続き当協議会の運営にお力添えをいただきます。
いま、我が国の洋上風力発電産業は、大きな飛躍のときを迎えております。2026年1月には、五島市沖において国内第1号となる浮体式洋上風力発電ファームが商用運転を開始し、五島市南沖が新たに準備区域に指定されました。また、改正再エネ海域利用法により、洋上風力発電の設置対象は排他的経済水域(EEZ)へと広がっており、海洋人材の育成と海洋産業の創出という当協議会の使命は、これまでにないほど重みを増しております。
こうした認識のもと、当協議会は、人材育成、研究開発支援、サプライチェーン育成の三つを事業の柱として、活動を進めてまいります。
第一の柱は、人材育成です。当協議会は、アジア初の洋上風力発電専門の人材育成機関である長崎海洋アカデミー(NOA)と、GWO(世界風力機関)認証の安全訓練と技能訓練を提供する日本財団洋上風力発電人材育成センター(NOA TRAINING)を運営し、座学から実技訓練まで一貫して学べる体制を整えております。両施設には全国各地から受講者をお迎えしており、この教育・訓練プログラムを、我が国を代表する人材育成プラットフォームへとさらに発展させ、洋上風力産業を支える人材を数多く輩出してまいります。
第二の柱は、研究開発支援です。国内でも数少ない実海域の実証フィールドである西彼南部フィールドセンターをはじめとする当協議会の施設は、全国の企業・大学・研究機関の実証試験にご利用いただいております。実証の場の提供から調査・コンサルティングまで、技術開発を幅広く支援するとともに、海中ロボット(ROV/AUV)や洋上風力と共存する養殖業など、我が国の海洋産業の可能性を拓く新しいテーマにも弛まず挑戦してまいります。
第三の柱は、サプライチェーンの育成です。造船業をはじめとするものづくり産業の集積という強みを活かし、洋上風力発電の製造・建設・維持管理(O&M)分野への企業の参入を促進いたします。国際競争力を持つ企業群の育成を通じて、我が国の洋上風力発電産業を支えるサプライチェーンの形成に貢献し、製造・整備・人材の拠点として全国をリードする存在となることを目指してまいります。
会員企業の皆様をはじめ、行政機関、大学・研究機関など関係の皆様とともに、海洋産業クラスターの形成を通じて、我が国の海洋産業の振興、そして洋上風力発電産業の発展に全力を尽くしてまいる所存でございます。今後とも、当協議会への一層のご支援・ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

